美と武の親密なカンケイ? 「へうげもの」読んだー
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ナニコレちょーおもしろい。一気に3巻まで読んでしまいました。命を賭して戦う一方で、アレ欲しいコレちょうだいと、茶の湯の名物に執着する戦国時代の武将たちの悲喜交々を描いています。
繊細な画風ではないのですが、登場人物たちがアップになったときの表情がとにかくすばらしいです!涙や汗は滝のように流れるわ目ン玉は飛び出るわ古典的な記号的表現が満載なのですけど、いいですね、魅せる。特に第二十七席の4ページ目の秀吉の表情ったら…!!やばいよ携帯の待ち受けにしたい…。暇なとき見てなごみたい。秀吉の偉大なる俗人っぷりがサイコーに素敵です。「功名が辻」にも夏休みからはまって見てるんですけど、ホントいいねぇー秀吉。好きだー。この後すべての権力を手に入れた秀吉が、しかし精神的には絶対に勝てない千利休をどう死に追いやるのか、すっごく楽しみです〜(悪趣味?)あと、筆で書いてんのにあんまり迫力の出ていない擬音・擬音語とか、昭和歌謡曲のにほひ漂う章タイトルのセンスもいいです。
主人公古田佐介(織部)は、武を取るか数寄に生きるか迷うけれども、どちらも似たようなものじゃないかしらと私は思います。明日生きるか死ぬか分からない武の世界に生きるのも、儚さを尊び時の移ろいに心をゆだねる美の世界に生きるのも、どちらも死に近いところにある。人の命は永遠ではないからこそ「モノ」に永遠の美を見出しますが、その「モノ」だっていつか壊れて消えてしまう。実際漫画でも、名物と謳われた茶釜も茶入れも、他ならぬ戦で失われて行く運命にありました。「武」と「美」は同義だからこそ、武将たちはこぞって茶の湯にはまったんじゃないじゃろか、と思ったところで今日は御終いです。(ちなみに佐助が戦の前、自分の兜になみなみ注いだ茶を飲んでいましたが、そのころの茶は今でいう濃茶くらいの濃さだったので、大量に茶を飲んでカフェインを過剰摂取することによって、戦の前に気持ちを高ぶらせる効果もあったのです。お茶はある種ドーピングみたいなもんでもあった。という豆知識でした。)