ジャンプがつまらなくなったのは腐女子のせい、なのか?!!

      

「週刊少年ジャンプ」、"腐女子"が屋台骨支える? 読者層に増える"腐女子" と呼ばれる人々(痛いニュース)

今更書いてみます。フットワークは重くが私のテーマなのです。ちなみに私はジャンプ立ち読みしかしないし、連載中の半分以下の作品しか追って読んでないです。あと、よしながヲタでよしなが以外のBLあんまり読んだことない。あっでも、最近あちらこちらでいいよと言われていたので、オトナツメは買って読んでみました。

えーと何が言いたいかというとですね、私はジャンプ読者からも腐女子からも遠いというか、どちらの要素もうっすい存在でしかないことをここに宣言いたします。このヌルオタめがー。が、しかし、つまらなくなった(?)ジャンプにとって、腐女子の存在が変化の一現象だとしても、本質的な原因では全くない、と私は思います。ジャンプがつまらなくなったというなら、その原因はやはり少年漫画自体の変化に求められるべきだし、そこで腐女子を出してきて責任転嫁するのはちょっと違うんじゃないかと思うのです。




かつてのジャンプと言えば、「北斗の拳」「魁!!男塾」「キン肉マン」など、なんとも男くさい漫画が主流でした。そのような系統の漫画は漢漫画と呼ばれ、熱い熱い漢スピリットは現在福本伸行荒木飛呂彦山口貴由などの漫画家へ半分ネタ的に受け継がれています。このネタ的っていうのが厄介で、もちろん「北斗の拳」だってあべしひでぶで十分ネタ的に消費されていたわけですが、今ほどの読者側が過剰な熱狂を持って「ネタ」として消費されている現状はなかった。「シグルイ」の山口先生すごく真面目に真剣に漫画書いていると思うのですが、その真面目さゆえに結果的にギャグ漫画になってしまっています。益荒男たちが熱い戦いを繰り広げる漢漫画は、もはやベタ化→ネタ化し、半分ギャグ漫画として消費されているわけです。(これを露悪的に描いたのがクロ高だと思う。もうあの画風でかっこいいことほざかれても誰も真面目にとらないはず。でもそれだと感動的な話も悲劇も描けないある種の枷になってしまっている気がします。それがウリでもあるんだけど。)




2006年夏、元祖漢漫画というべき「巨人の星」が、主人公を花形満に変えて「新約・巨人の星」としてマガジンで開始されました。




各所で腐女子向けになった!こんなの花形じゃない!!と怒号の嵐。



http://www.shonenmagazine.com/works/hanagata/
(ここで第一話読めます)



確かに、線の細いカワイイ系の主人公。背も低いしショタ向け?と考えられなくもないですが、40年の時を超えて腐女子向けになったというよりか、40年の時を超えてBEFORE花形がギャグにしか見えなくなっちゃってることのほうが問題だと思います。バット掲げて自信満々にホームラン宣言より、バット肩に掛けて振り向きざまスマイリングのほうが今の気分だ…。BEFORE花形が、バックに花背負って「花(ボク)は咲けるんです」って言うのを私は真顔で受け止められません…花形があの顔で、あのまゆ毛で、「僕のテント張っちゃったー」なんていややああああああ…(ちゃんと読んだら野球のボールでした…)いや漢漫画好きとしては、ぜひともBEFOREのままやって頂きたいですが、平成生まれの少年にあの画風が受けるとはとても思えない…。そして何よりもあの劇画風の絵のまま、青春漫画的展開をされてもきっと漢漫画としてネタ消費されてしまったに違いないはずです。

もはや筋肉隆々の男や、純粋まっすぐ君に努力・友情・勝利とかやられても、それは陳腐で、ダサい。線の細い、かっこいい(しかし性格に難ありの)キャラクターが発することによって、かろうじてその言葉のリアリティが保てるような、そういうところまで少年漫画のテーマが有効に働かなくなってしまっているのだと思う。そしてそれは決して少年漫画の質が落ちたということではなく、質自体のどうしようもない変化だと思うのです。

ついでに言ってしまえば、その三大テーマが有効に働かなくなっているところに、一方で「いやそれ普通に男同士の絆だから」って言っているのにもかかわらず、友情を恋愛感情にゆかいな誤変換をしてしまう女性たちが年々増えているだけじゃないかなー?と。変化は同時に起こっている。

私ですら、恋のかけ算やろうと思えばなんの漫画でも出来ますよ。でもそういう見方が出来ないのは、男性読者と同じようにヤオイ的に漫画を読んでないからです。腐女子狙いだって指摘されないと、具体的に一体何の漫画がそれを狙って描いているのか分からない…。テニプリも確かに腐女子に大人気かもしれないですが、それとは別に、いまや最高のギャグ漫画として愛されてるじゃないですか、みなさんに。でももう、イケメンキャラばっかの漫画ですらネタ化しギャグになっちゃうなんて、なんともさびしいことなのかも。




「新約・巨人の星」ですが、漢漫画好きとしてはぜひ、原作と同じように無免でスポーツカーを乗り回したり、地元の野球チーム打ち倒して暴れ回ったりして欲しいです。瞳のなかに炎が燃える描写も欲しいしな。あのさわやか風の絵柄で。それでこそ漢…漢の中の漢だぜ…!