武士道は死狂ひなり 山口貴由「シグルイ」

シグルイ 1 (チャンピオンREDコミックス)

シグルイ 1 (チャンピオンREDコミックス)

たいへん評判なので試しに1巻だけ買ってみたら、次の日には4巻まで揃えていたという、去年からずっとはまりまくってる漫画です。贔屓目でなく、今一番おもしろい漫画じゃなかろうか。昨日5巻がやっと手に入ったので、その興奮のおもゆくまま感想を書いてます。

江戸初期の駿河、徳川忠長の治世に駿府城内で真剣御前試合が行われました。それに出場した剣士ふたりの憎しみの果ての決闘と、そこに至るまでの過程をとんでもないテンションとモチベーションで描いてます。詳しいキャラ紹介はコチラ。現在静岡市民の憩いの場となっている駿府公園(駿府城跡)で、こんな血みどろの戦いが行われていたとは…。この御前試合が原因となり、家光の実弟徳川忠長は自刃せられるのですが、もし忠長が自刃せず駿河を治めていたら静岡市はもうちっと栄えていたんだろうなぁ。家康も久能山に埋葬されたのに結局日光江戸村、にゃんまげなんぞに取られちゃって、そりゃもう静岡市民は怒ってるんですよ!!プンプン!つって地元民ではない私は関係ないけど。

「ぬふう」とか九郎右衛門のちゅぱちゅぱとか腐女子のネタにでもされそうですけど、青年向け雑誌でありながらきちんと陰間や衆道を描いているのはえらいですね。最近のパロディや萌えキャラで成り立っているような漫画とは一線を画した、漫画らしい漫画、という感じです。虎眼流内弟子との戦いはあっさり終わらせる一方、5巻で伊良子が登場していよいよ虎眼先生(か藤木)と対決か?!と思ったら勝負先延ばし…あーん早く虎眼先生がやられるの見たい〜。とこのように緩急のつけ方も非常にうまい。激、超絶おもしろいのです。飛び散るはらわた、赤十字血液センター(若いちから。はたちの献血。)がひっくり返るほどの流血、そしてふんどしチラリズム。なかなか読む人を選びますが、これはほんとお勧めです!